「なぁ〜んてな、びっくりしたか?」



「た、たいちょー!」



はりつめていた空気が、一瞬でガタガタと崩れた……そんな感覚。

「なんだよ、三人とも怖い顔しちゃって!もっと明るく行こうぜ」

果たして俺はこの人のテンションにこれからついていけるのだろうか。

「それより隊長、どうしたんですか?今日は来ないって聞いてたのに」

永倉先輩が首を傾げている。因み俺も同感だ……。

「いや、なにコレを手に入れたもんでな」

──『鍵』?!

「それってもしかして……」

冥が何かを察したようだ。


「その扉の鍵。さる人物から調達したのさ」


「さる人物?」

俺は右に居る冥と左に居る永倉先輩を交互に見た。

「まさか──マリア総監」

二人の口から出てきた言葉に俺は反応を示す術もなく、

「ご名答」

ただ一言言えるのは、隊長よりは偉い人物だと言うことだけ。