じっとこっちを見られて、その綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
その視線から少しでも離れるように後退りしていたら、いつの間にかすぐ後ろに壁があって…
「えっと…師匠…?」
師匠は私の顔のすぐ横に手をついて…。
なんていうかその…
逃げられない…。
「ありす…」
そう言って近付く顔。
心臓がどきどきうるさい。
これって…キスされるのっ!?
そう思って思いっきり目を閉じる私。
只でさえ師匠の顔は心臓に悪いのに、接近されたら私、倒れちゃうかもしれないし。
そっと髪を触られて、いよいよ私は体が強張る。
師匠の手が私の唇に触れて…そのまま頬に…っ。
と、思ったら。
「…ふぇっ?」
私は師匠に頬をつままれて、気の抜けた顔で気の抜けた声を出していた。

![うらはらっ! [短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.795/img/book/genre1.png)