私が初めて、香夜さんと会ったのは、5歳のときの誕生日パーティーだった。 「ほら、未緒。こちらが将来お前の婚約者になる方だ。」 「こんやくしゃ…?」 まだ幼くて、自分の立場なんてわかっていなかった私は。 「初めまして。 ぼくは東條香夜(とうじょうこうや)。 君の名前は?」 そう言って、笑顔で手を差し出す美しい少年に 「桜ノ宮…未緒…(さくらのみやみお)です…っ」 ただただ惹かれて。 恋をしていた。