「おぉ!未緒!良いじゃないか!やっぱりそのドレスが似合うと思ったよ」
「―そうですか?」
「よし、じゃあ行こうか。
待たせてしまっては印象が悪いからな」
そう言って、上機嫌で車に乗り込むお父様。
私は最後に鏡を見て、チェックをした。
今日のお見合いのために買った、薄いピンクのひらひらしたドレス。
真っ白なファーを羽織って、メイクも完璧に決めて。
これからお見合いだって言うのに、香夜さんにこの格好を見てほしかったな、なんて考えてる私。
でも、こんな格好をしても…
私が出来る最大限の力で着飾っても、香夜さんには触れてもらえないんだろうな…。
よし。今日会う人には絶対、女として見てもらうんだから!
それに!新しく相手が出来れば、香夜さんのことは、忘れられるよね…?
「ほら、未緒行くぞ!」
「はーい!」
私も車に乗り込んだ。

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