「あ……。悪かった。
もうしないから。
ごめんな………。」

バタン

会長は出ていった。
私はさっきの恐怖で、そのままペタリとしゃがみこんでしまった。

「ふっ。こわかっ、怖かったよぉ。」

なんで?優しかったのに。
つい数時間前は、笑顔だったのに。

怖かった。会長が怖かった。
私の知ってる会長じゃない。
一人の男の人だった。


いつか……って望んでた会長とのキスも、怖いだけだった……。

「ふえーん。」