「ダメだよ。彼女可愛そうじゃん。」


私はリョウの耳元で囁く。


「何が？」


もう！と、私は怒ろうとしたその時・・・。


「あっ、私なら大丈夫です。それでは、山下さんお疲れ様でした。」


そう言って、彼女はこの場を去っていった。



「もう！リョウってば！彼女が可愛そうじゃない！」


「ん・・・？あぁ・・・。」


リョウは困ったような顔をしながら私を見る。


「これで、ちょうどいいんだよ。」


「えっ？」



「好きじゃないヤツに、気を持たせるような素振りをしてもしょうがないだろう？」


もしかして、リョウって・・・彼女が自分を好きだって知っていたの？



リョウはさっさと歩き始める。


「リョウ！待ってよ。」


私はリョウを追う。



うーん、気まずい。何から話したらいいんだろう。


「リョウは、えっと・・・好きな子・・・いるの？」