「鍵、ありがとうな」 「あら、返すのなんていつでもよかったのに」 いいながら渡したのは、昨日泊まった家の鍵。 やっぱり、女の人の別荘だったわけね。 それもこんな美人さんかよ。 「悪いけど食器は洗ったまま、置かせてもらったよ」 「洗ってくれたの? ――…ありがとぉー」 親しげな会話に、胸がズキンッと痛んだ。 あら、といいながら、女の人はあたしを見た。 「この子が、恭一のいまの彼女サン?」 「あぁ、詠葉だ」 あたしはムリヤリ頭を下げられた。 “いまの彼女” ズキン、ズキン、と心臓が痛い。