車を降りて、あたしは恭兄に手をひかれて案内された。 ここで放置プレイされなかったことに、ちょっとほっとしたり。 恭兄は慣れたように人の波をぬって歩くと、会場の中に入った。 長く続く廊下。 警備の人が厳重にかこってる場所を目指して歩く。 「羽深というんだが、通してもらえるか」 恭兄は警備の人にそう告げると、 「お聞きしております。手前から二番目の控え室になります」 「わかった」 いくぞ、というと、恭兄はまたあたしを引っ張った。