「ご飯なんて、これから覚えてけばいいんだもん」 まだあたしは高校生だよ。 だからすぐには必要ないわけ。 なのに恭兄は大きなため息をついた。 「いままで飯作れるヤツばっかだったのにな」 ズキンッ “いままで” 元カノと比べられた残酷な単語。 あたしの心臓に、鋭い刃物のように突き刺さった。 心臓が痛むのを感じながら、あたしは少し焦げてる甘いハンバーグを口に運んだ。