フライパンに乗せてから数分経って、あたしはごくりとツバを飲み込んだ。 「えいっ」 ――…ベチャッ てへ。 失敗しちゃった。 形の悪かったハンバーグは、見事に原形をなくして散らばってしまった。 みるからにマズそう。 それなのにあたしは、 「はい、はじめての手料理」 って満面の天使のほほ笑みで、恭兄に差し出しちゃった。