ちゅくっと音をたてた恭兄の唇は、あたしの首筋に吸いついた。 離された口の跡を残すように、首筋には花びらが舞っていた。 「お前は、俺のだ」 自信たっぷりにいい放つ恭兄の声に、あたしは 「……知ってる」 って答えた。 「ハンバーグ、作らなきゃ」 恭兄の腕から逃れたくて、あたしはハンバーグのことを思い出した。 はやく作らないと、ただでさえ時間かかってるんだから。 それなのに、恭兄の手はまだ胸の先をイジる。