「きょ、ンっ……
危ない、っ…て」

くすぐったくて身じろいでも、恭兄はなで続ける。


耳元に恭兄のあったかい息がかかった。


「詠葉」

ささやく声は低く、いつも以上に甘い声。



背筋がゾクッとして、握っていたハンバーグが一個、床にべちゃっと落ちた。




気にするでもなく、なでる手は止まらない。


お腹のあたりからキャミの中に侵入してる手。






――…パチンッ





ブラのホックを外す音が、ここまで大きく感じるとは思わなかった。