「……結局、誤解されたままだったな……」
数えきれない商品の中からピックアップされた、柚宛てのプレゼント。
わざわざ選んでもらって悪かったな。
選んでくれたアクセサリーは全て柚に似合いそう。
でも、それらを買うわけにはいかない。
「すみません、これ下さい」
目星をつけていた中からピンと目にきたソレを取り、レジへ渡す。
女の人の物ってよく分からないけど、これならきっと似合うんじゃないかな。
「プレゼント用でよろしいですか?」
「はい」
これを渡した時、どういう反応をしてくれるんだろう。
そして僕は、どんな言葉でこれを渡すんだろう。
頭の中はそんなことばかり。
そう、自分でも気づけていなかった。
―――変わらない想いはあると、確信していた自分の心が
他の誰かへ、傾き始めていることを。

