ゴールデンウィーク目前のせいか、街中はセールの広告だらけだ。
普段は絶対行かないようなビルに入ると、女の人ばかりで軽くうんざり。
よくこんな人いっぱいいるのに買い物できるな……と感心してしまう。
『女の人が行くビルに連れてって』と柚に頼んで来てみたのはいいものの、出だしで挫けそうだ。
たまに男がいると思えば両手にショップ袋、所謂荷物持ちになっている。
……大変そうだな。女の人って買い物の時間長そうだし。
エスカレーターを上がり4階に着いたところで、柚が現在地を壁にある地図で確認した。
「えーと、今はここだから……って。そういえば碧君、どんなお店に行きたいの?」
「え?」
そう言われて気づく。
どんなお店に行くか以前に、何を買うかも決めてこなかったことを。
これじゃあ何しに来たのか分からない。
でも、正直何が欲しいか分からないんだよな……
「あー……あのさ、柚はプレゼント貰えるとしたら、どんなのが嬉しい?」
とりあえずここは柚に相談するしかない。
明らかに誰かにあげます系な質問だけど、左程気にしていないのか柚は頭を捻らせた。
まあ、ぶっちゃけ柚の欲しい物は大体想像がつく。
毎年誕生日プレゼントあげてるし、買い物とかも一緒に行くし。
多分ぬいぐるみ辺りを選抜してくるだろう。
そう思い構えていた。
けど、意外にも答えは違くて。

