隣の女子が口を開いたことではっとなる頭。
……やば。何ボーッとしてたんだろう。
あーちゃんでもないのにな、と誰に対してでもなく多少の罪悪感を感じた。
『じゃ、左側の列に座ってください』
『はーい』
僕達が席についてから数分後。ようやく人数が集まったのか委員会はスタートした。
内容は保健の講習会に使うプリント作成。なんでも近い内に講習会があるから今日集まってもらっただとか。
教壇に立っているのはさっき声をかけてきた長い黒髪の人。
彼女はハキハキとした声で話を進めているけど、生憎生徒の中に彼女に協力的なのはごく数人。
まあ、気持ちもわからなくはない。
せっかく部活がない日なのに委員会なんてものに縛られ、授業が終わったのにこうして学校に残っているのだから。
案の定、僕の隣に座るクラスの女子は開始5分で睡眠モードに入っている。
さっきまで鏡見てたくせに、机に突っ伏して寝てたら化粧崩れるんじゃないのかな……。女の人ってよくわからない。
そうこうしている内に委員会は終わりに向けて走りだす。
結局、彼女の話を真面目に聞いていた人達だけがプリント作成に参加することとなった。

