「生徒会に皐月のことを好きな女がいて、」
「それって……舞姫ちゃん?」
「そう」
翠君と一緒に帰るために寄った生徒会室で会った可愛い子。
そういえば神崎君にべったりだったもんね……
彼女の気持ちが翠君にもバレてるのはしょうがないのかもしれない。
「速水(はやみ)が皐月を誘ってどこかに行くっていうから、俺も付き合わされただけ」
「え、でも……」
あの時隣にいたのは舞姫ちゃんじゃなかった。
私がそう訊きたいのを察したのか「速水が友達も誘ってた」と付け足してくれた。
友達……
もしかしてファッションビル内で別行動してたのかな。
そう考えればどこもおかしい所なんてない。
……私の勘違い、だったんだ。
「電話の子も、舞姫ちゃんの友達なの?」
「そう」
「そっか……」
正直アレは結構へこんだ。
キスしようとしたら直前で電話に出られちゃったのだから。
……結局電話を阻止したくて無理矢理しちゃったけど。

