「―――……じゃないですかー！何でそういうこと言うんですかー！」

「煩いからもう帰れお前」

「嫌ですっ！会長と一緒に帰るんですー！」

「そこの……あー、書記。そろそろ解散」

「はい」



そんなに多くの人は残ってないみたい。

肝心の彼の声が聞こえないことに疑問を抱くと、ガチャリとドアが開いた。


「っあ、」


壁から身体を離してドアに目をやれば、少し疲れたような顔の男子生徒。

生徒会メンバーじゃない私がいることに不信感を持ったのか、「誰かに用ですか？」と訊ねてくれた。



「え……と」



……ど、どうしよう。何て答えたらいいんだろう。


麻生君いますか、なんて易々と聞いてもいいのかな。

でも名前を出したら迷惑かもしれないし……



一緒に帰ると覚悟してきたはずなのに、ここまで来て躊躇している自分が嫌になる。

そんな私に男の子は眉間にしわを寄せ、何とも言えない顔をされてしまった。



「あ、あの……副会長さん……いますか？」