ピーターは遊びに行く途中、白衣を着た研究員に見つかってしまったみたいでさ。
うまく逃げ切る事が出来ず、研究員はこの家に向かっていると言うんだ!
「ちょっと待ってピーター、あなた本当に空が飛べるの?」
こんな状況でアリスが聞いた。
するとピーターはすぐに泣き止んで得意げに言う。
「飛べるよ! お姉ちゃんも皆も、誰も信じてくれないけどね」
「なら飛んでみろ」
そう言ったのは唯我独尊のイヴァンだ。
「今は無理だよ! 気持ちが清く正しくないから!」
「……は?」
唖然としたのはアリスだけではなく、イヴァンもカールも、ウェンディもだ。
そんな周囲を見渡しながらピーターは大きな声で言い放つ。
「気持ちが清く正しい時と、お姉ちゃんがいないと飛べないんだ!」
アリス達は頭を抱えたくなったよ。
だってピーターの言う意味が分からないんだ。空を飛べるという主張がますます疑わしい。
ただひとつ分かったことはピーターが姉の事が大好きだという事だけ。

![[短編] 昨日の僕は生きていた。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre1.png)