薔薇とアリスと2人の王子


 そんな3人を他所に、シャルロッテは笑顔で椅子から立ち上がる。

「夜になる前に夕飯作りますね~。家事はわたしの役目なのです~」
「私も手伝うわ。泊めてもらう身だしね」

 アリスはちら、と兄弟のほうを見たけど、2人は手伝う気なんてさらさらないよ。暇そうに小屋の中を見渡していた。
 まあ分かっていた事だけどね、とアリスは呟く。

「2人で11人分は大変だけど頑張りましょうね、シャルロッテ」
「は~い!」

 そんな事で、2人で料理を始めたんだ。
 アリスは両親が死んでからは1人暮らしだったから料理だってお手の物だ。


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 アリスはじゃがいもを切っているシャルロッテに質問する。

「シャルロッテはどうしてこんな森の小屋に?」
「え?」
「両親もいないみたいだし……言いたくないならいいのだけど」

 アリスはそう気遣ったけど、少女は素直に話してくれた。