薔薇とアリスと2人の王子



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「わたしはシャルロッテです~。シャルロッテ・バーナー」

 小屋の中に案内された3人は食卓の椅子に座り、シャルロッテと向き合っていた。
 なるほど、椅子は8個ある。本当に8人で住んでいるらしい。
 小屋の中も意外と片付いていて、余計な物は置いていないらしく整頓されていたんでイヴァンも特に文句は言わなかった。

 天使のようなシャルロッテの笑顔を受けて、アリスもつられて微笑む。

「私はアリス・リデル。よろしくね。この赤毛の偉そうでいかにもナルシストなのがイヴァン。で、こっちの黒髪の皮肉屋でいかにも意地悪そうなのが、カールよ。2人ともウザったい長髪だけど、我慢してあげて。文句言うとうるさいから」
「もっといい紹介をしてほしいなあ」

 そんなカールの言葉をよそに、シャルロッテは3人を大きな瞳でまじまじと見つめていた。