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どうしてイヴァンが部屋を出て、屋敷をさ迷っているのか。
答えは簡単。彼は野獣に見つからないように、食料を探していたんだ。
「あの時パーを出していれば……」
なぜイヴァンがこんな事してるかって、じゃんけんに負けたからさ。(カールがアリスに対して、兄さんは最初に絶対パーを出すから、と助言したのは秘密)
とりあえずキッチンを探すイヴァン。夜も更け薄暗い屋敷はとても広くてさ、たくさん扉があるものだからなかなかキッチンが見つからない。
「食料…食料……」
それでもって、悲しいことに王宮で自由奔放に生きていた彼は、キッチンがある場所など見当がつかない。
彼はそのままなぜか2階にきてしまっていた。(屋敷のキッチンや広間ってのは、だいたい1階なんだけどね)

![[短編] 昨日の僕は生きていた。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre1.png)