薔薇とアリスと2人の王子



 ゾフィーがアリス達のもとに戻ると、3人は何だか妙な話をしていたんだ。
 アリスとカールは並んで砂浜に座り、その後ろにイヴァンがぼうっと佇んでいる。

「あれはオリオン座ね!」
「違うよアリス。柄杓型だから、射手座だよ」
「俺は射手座なら知ってるぞ。何といっても俺が射手座だからな」
「兄さんは8月生まれだから乙女座です」

 ゾフィーは2人の人魚を抱えたまま、3人のいる浜辺まで泳いでいった。

「はぁ~い。星の観察はそこまでよん。例の2人を連れてきたわん」

 ゾフィーに気が付いたらしい3人がこちらを向いたのでゾフィーはエルザとルートヴィッヒを浜に横たえた。
 アリスが立ち上がって、エルザとルートヴィヒの元に駆け寄る。

「あら、巨乳魔女。この2人はどうしたの? 気を失ってるの?」
「違うわん。彼氏の方は死んだのよん」

 ゾフィーに言葉に、アリスは目を見開いた。