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「西高ー!ファイッ!」

「オー!」

「ファイッ!」

「オー!」

「ファイッ!」

「オーー!!」


冬は雪に覆われるこの時期。

部活開始直後のランニングは、バスケコートの周りを走るんだ。

3年生が引退した今、俺の亜希先輩は新キャプテンとなり、チームのみんなを引っぱる立場。

ランニングも常に先頭を走り、掛け声だって、一番声をだしているのは亜希先輩だ。


俺が女子バスケ部のマネージャーになったのは、地球儀を取ってもらった日から1週間後。

顧問でもある小松先生に頼み込んで頼み込んで、ようやくゲットしたマネージャーの座。

「押しかけマネ」なんて先生に呆れられたけど、そんなの知るこっちゃなかった。

一目惚れのパワーだ。


入学したての頃は学校のことなんて分からなくて、だから先輩のことも知らなかった俺だけど。

先輩はとにかく有名人だった。

1年生のときからレギュラーで、2年に上がった今年はエース。

先輩後輩からもよく好かれ、男女問わずみんなの憧れの存在。