そんな、ちょっと恋人っぽくない別れの言葉を交わして、先輩と俺はそれぞれの家路につく。


俺が前と同じように「先輩」って呼ぶことについては、先輩は何も言わないけど。

先輩も、俺を「ハチ」って呼ぶのは前と変わりないけど。

・・・・いつか『亜希』『大』って呼び合うようになれたらいいな。


帰りのバスに揺られながら、そんなことを思っていた。





その夜、風呂から上がると、先輩からメールが届いていた。


【来年のホワイトデーはかわいいネックレスがほしいな。
あと、その前のバレンタインは大のために特大のチョコ作るから!期待しててね!】


なんていう内容。

なんだ、分かってたのか。

てか、大のために特大って・・・・。

ダジャレのセンスないぞ、先輩。


【来年こそはプレゼントします!
そのチョコは、もちろん俺だけの第1チョコですよね?】


寒いダジャレに笑いながら、そう冗談めかして返信すると。


【バーカ。当たり前!】


・・・・という、ちょっと冷たいメールが返ってきた。