そうして、食べ歩いているうちに夕方になり、デートもそろそろ終盤となった。

俺の財布はいよいよ淋しくなり、代わりにお腹はいっぱいだった。


苦しいお腹をさすりながら、電車で帰る先輩を駅まで見送る。

俺はバスのほうが近かったから、先輩が電車に乗ったのを見届けてからバスで帰る予定。


結局、俺のひそかなプレゼント計画は、日の目を見ることなく終わってしまいそう。

今の所持金で買えるものといったら、もうおもちゃの指輪くらいしかないって状況・・・・。

また今度だな、こりゃ。


「今日はいっぱいごちそうになって悪かったね。ありがとう」

「いいよ、おいしそうに食べる顔見れて嬉しかったし」

「そう?」

「うん」


明日からも部活で会えるというのに、どうしても離れがたい。

電車が止まっちまえばいいのに、なんて、そんなことまで思う。

・・・・恋ってイイ!


それから少しして、とうとう先輩が乗る電車の時間になった。


「じゃあ、もうそろそろだから。気をつけて帰ってね」

「うん、先輩こそ!」