そうだったんだ・・・・。

あのとき渡されたもう1つのチョコには、先輩のそんなモヤモヤした気持ちが・・・・。


「おかしいでしょ? 本命チョコを2つも用意するなんて」

「いえ・・・・そんなことないっス!先輩をモヤモヤさせられただけでも嬉しいっス!!」

「なにそれっ!やっぱりハチっておもしろい。飽きないな〜」


だって、本当にそう思うんだ。

先輩は俺なんか眼中にない、なのに毎日毎日「好きっス!!」って言うだけ。正直ウザい後輩───きっとそんなところなんだろうと思っていたから。


「おもしろくないっスよ!俺今、マジで感動してんっスから!」

「うんうん、分かったって。だからようやく気づいたの、そんなハチが私は好きなんだって」


そう言ってにっこり笑った先輩。

今気づいたんだけど、先輩の顔、耳まで真っ赤っか・・・・。


「でも俺っ・・・・年下だし」

「関係ないよ」

「チビだしっ・・・・」

「それはもっと関係ない」

「・・・・もう身長止まりました」

「いいの、それがハチだもん」