3日ぶりの学校はすっかりバレンタインの雰囲気もなくなり、いつも通り平穏だった。

俺の机の中には、授業のノートのコピーと、誰が入れてくれたのかチロルチョコが3つほど。

・・・・いや、チロルチョコは北村の仕業に間違いないな。


「よぉよぉ、3日も休んでいいご身分だなぁ。あ、そのチョコ俺からだから勘違いすんなよ」


ほれ見ろ。やっぱり北村だ。

授業と授業の間の10分休憩中に小腹が空いてそれを食べていたら、北村がノコノコやってきた。


「分かってるよ。チロルとチビをかけてこんなの机に入れるヤツ、お前くらいしかいないし」

「おぉ〜、分かってんじゃん!! んで、肝心の先輩からはもらえたのか? チョコ」

「いや、それがさ・・・・」


一瞬、話そうかどうか迷った。

北村は他人の秘密をバラすのが大好きで、こと俺に関しては、それは比じゃない。

亜希先輩に一目惚れしたことを話したときも、その日のうちにクラス中に知られてしまった。


「あん? なんだよ?」

「・・・・お前、誰にも言わないって約束できるか?」