「そうなんだぁ。いつもだいたいここなのにな。今日はハズレか。・・・・ところで君、もう昼休み終わるけど何してんの?」


先輩は残念そうに口元を尖らせたあと、俺に話を振ってきた。

背ぇ高くていいなぁとポーっとしていた俺は、いきなり話しかけられて少し出遅れてしまう。


「・・・・えっ!? あ、俺も先生に用がありまして。その、地球儀を」

「地球儀?」

「あんな高いところにあるから取れなくて。先生に取ってもらおうと思って待ってるところなんス」


俺が指差す先を先輩も見る。

それから俺を見て、また地球儀を見る先輩。・・・・な、なんだ?


「そっかそっか。君、かわいいサイズだもんね。いいよ、私が取ってあげる。これでも175cmはあるからね、楽勝!」


そう言ってニッコリ微笑んだ先輩は、俺がどうしても届かなかった棚の上の地球儀をいとも簡単に取ってくれた。

身長もさることながら手足も長い先輩は、ちょっと背伸びをしただけで届いてしまう。

・・・・か、かっけぇぇぇー!!


「あざース!」

「いいえ〜!」