そこまで言うことねぇじゃん、と反論しようと北村を見れば・・・・。

あまりに真剣だったもので、出かかった言葉は唾と一緒に飲み込まれてしまった。


こんな北村、俺は今まで見たことがあっただろうか。・・・・いや、初めてかもしれない。

いつもチビの俺をバカにするくせに、たまに核心をつくようなことをサラリと言ってのける。

いいヤツなんだか、いけすかないヤツなんだか・・・・ズバズバ言い合える仲っていうのも悪くない。


「いいから早く行け!これ以上俺を失望させるな。先輩先輩って言ってるお前がお前なんだから」


そう言った北村の顔が、なんだか少し赤い気がした。


「サンキュー北村!もう二度と礼なんて言わねーから、しっかり心に刻んでおけよ!」

「うるせー、バーカ!」

「へへっ」


そうして俺は、北村に背中を押されて教室を飛び出した。

“男を見せる”

“俺だからできること”

必ず見つけてみせる!!