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「じゃあな〜、伸吾!」

「おぅ、また明日!」


・・・・来た。

ドキドキ、ドキドキ。

放課後までチョコが渡せなくて、下駄箱の陰に隠れて彼を待ち伏せしていた私。


待つこと1時間。

やっと・・・・というか、もう・・・・というか、とにかく友だちと別れて1人になってくれた。


「あのっ!」


靴に履き替えて玄関に向かう伸吾君が私の横を通りすぎるのを見計らって、思いきって声をかける。

何度も体験した、絶対外せないって場面のバスケの試合・・・・。

それよりも、今のほうが格段に緊張の度合いが高かった。


「おっ。どした、河原」

「・・・・うん」

「ん?」

「あ、あの・・・・さ、ちょっと話があってさ。今いい?」

「いいけど」


しっかりしなさい私!

今日は朝から恋のスリーポイントシュートを決めようって心に決めてきたんじゃない!

頑張れ、私!!


「実はその、私・・・・ずっと前から伸吾君が好きだったの。チョコ、受け取ってもらえませんか」