小さな頃から大きくて、背の順で並ぶと一番後ろが私の定位置。

中学を卒業する頃には、成長期も手伝ってすでに170cmだった。



そんな私が初めて好きになった男の子・・・・城戸伸吾(キド シンゴ)君。



クラス一の人気者で、太陽みたいな存在で、彼のことを悪く言うような人は1人もいなかった。

小柄で人懐っこい顔の伸吾君は女子の間のアイドルで、もちろん私もその中の1人。

淡い恋心を抱いていた。


当時の私は、自分が大きいことなんて気にしたことはなかった。

それと同時に、自分より小さな伸吾君のことも気にならなかった。


身長なんて関係ない、だって頑張っても縮まないもん・・・・って。

そう思っていたんだ。










だけど。

バレンタインの力を借りて告白した3年の冬───・・。


初めて“背が縮んだらいいのに”って本気で思うことになった。

苦い苦いバレンタインの思い出。

あの日のことは、きっとこの先もずっと忘れられないと思う・・・・。