ベリルはパンパスの持つ弓を見る。使い込まれた弓。まだ若いようだが、その腕は確かなようだ。

 黒い髪、黒い瞳が少年の人の良さを窺わせる。

「アーチャーが2人いるのは頼もしい」
「2人?」

「私の友人もアーチャーだ。奴はクロスボウだがね」

 そしてまた、ピューマに目を向ける。

「彼の事を、よろしく頼むよ」

…-うん
「え?」

「あのドラゴンが相手では、風を上手く操れないかもしれん。その子の負担が気に掛かるが、それでもやってもらわねばな」

 言いながら、軽く手を挙げてベリルは遠ざかった。

「……」
…-……

 ピューマとパンパスは顔を見合わせる。

「お前の事、『その子』だって」
…-僕の方が年上なのにね

 思わず笑いあった。