「おぬし、ドラゴン退治に行ってきてね」
「……は?」

 明るく言われてベリルは一瞬、放心状態になる。

「どういう意味だ?」

 眉間にしわを寄せて聞き返す。

「国王からの命じゃ。『各、部族の秀でた者を選びドラゴン討伐に集結せよ』。とな」

 老人はその紙をピラピラとひらつかせてベリルに示した。

「……」

 その特命を見て、ベリルは見る見るうちに眉間に縦じわを刻んだ。

「わーっやめろベリル!」

 セシエルが、長老に剣を振りかざそうとするベリルを羽交い締めにして制止した。

「止めるなセシエル。ぶっ殺す」
「ほっほっほっ」

「そういう事はもっと真面目に言え!」

 この態度がムカツクんだ!