「アウル?」
「え?」

 名前を呼ばれて声の方を振り向く。

「!」

 エメラルドの瞳が青年の目に飛び込んできた。

「ベリルだ」

 やや目線を上げたベリルが挨拶する。

「あ、ああ。よろしく」

 なんだ……男か。アウルは少しがっかりした。

「こんばんは! 私サハナっていいます」

 サハナは嬉しそうにベリルに挨拶した。それに、アウルは少しムッとする。

「同じ剣を学ぶ者として、心強い」
「え?」

 アウルは、ベリルの腰にたずさえられた剣を見る。

「回りには強そうな者たちが沢山いるのでね」

「ははは」

 笑い声を発するが、2人の目は笑っていなかった。