「あいつ、ドラゴンに魔法を教わったしね」

「! ドラゴンに?」
「ああ、いやいや」

 セシエルは付け加えるように右手のひらをレインに向けた。

「ドラゴンっていっても、これから倒す奴じゃなくて、人間に友好的なドラゴンだよ。俺も話したけど、いい奴だったよ」

「ふーん」

 そして、片肘をついて頭を乗せセシエルを見た。

「あんた、お人好しだね」
「ははは……」

 レインはコップを傾け、溜息を吐き出した。そしてベリルを思い起こす。

「……」

 ホント変な奴。