吐き捨てるように言った少年にセシエルは向き直り、手を差し出す。

「俺はセシエル。君は?」
「レイン」

 応えて、差し出した手にそっぽを向いた。セシエルは苦笑いして、ゆっくり手を引っ込めた。

「フン……何1人で息巻いてるんだか」

 レインは呆れた声でつぶやく。

「確実に勝てる方法をあいつなりに探してるのさ」

 昔からそうだった……懐かしい思い出を語るようにセシエルはレインに言った。

「あんたも、あいつと同じ事出来るのか?」
「まさか!」

 セシエルは肩をすくめる。

「俺は魔法は使えないし。あいつウォーロックだから」

「魔法戦士? ふーん」