「面白い」

 そう言って、喉の奥から笑いをこぼし左手をさらりと流した。

「!」

 すると、白い煙のようなものがローブの人物を覆い隠し、煙が大きくなる。

[私の質問にそんな答えを出すとはな]

 煙がかき消え、現れたのは白いウロコに包まれたドラゴン。身の丈3mほどか。

「……」

 ベリルはそれに動じることもなく、ドラゴンを見つめた。

「通してくれるかね?」

 ドラゴンが姿を現したおかげで、道一杯に広がっている。

 狭い山道、さすがに山の入り口といえども横は崖だ。

[……]

 まったく何の反応も示さないベリルに、ドラゴンは顔をしかめた。

 どれだけ根性が座っているのだ……

[問答はまだ終わりではない]

 ドラゴンは半ば意地になった。