「ベ、ベリル……」
「彼は『智の竜』だよ」

 人語を話すドラゴンか!?

「2年ほど前に出会ってね。魔法も彼から学んだ」

[彼は筋がよい]

 ドラゴンは優しく微笑んだ。この白いドラゴンの名はヴァラオムといい、出会った人間に難問をかけては楽しんでいた。

[いやはや出す問題、出す問題、全て答えられてはさすがの私も、ぐうの音も出なかったよ]

 暗くなり2人と1匹は炎を囲んで語り合う。

 ヴァラオムは酒瓶を掴んで口に運んだ。彼にはグラスでは小さすぎる。

「こいつ頭いいからねぇ」

 気さくなドラゴンに、セシエルもうち解けたようだ。

[500年生きている私を言い負かしおったよ]

 ヴァラオムは嬉しそうに語った。