「?」

 まだ陽は高いのに? セシエルは怪訝な表情を浮かべた。

“ピィー”

 ベリルが指笛を1度鳴らす。すると、どこからともなく大きな羽音。

「!?」

 一瞬、大きな影がセシエルの真上を過ぎった。

 そして、目の前に降り立った影は上品な声色で発する。

[久しいなベリル]
「元気そうで何よりだ」
「な、な……っ!?」

 突然現れたものに、セシエルは震えながら指を指した。

 3mほどもある、翼の生えたトカゲ。それはまさしくドラゴンそのもの。

[この者はお前の友人かね?]
「うむ」

 金色の瞳でセシエルをまじまじと見つめる。

 白いウロコに包まれた体をうねらせて、セシエルの周りをぐるりと一周。