「お前、色々と考えてるねぇ」

 セシエルは感心した。

「当り前だ。受けたからには勝たねば。死ぬのはごめんだ」

「! ……そうだな」

 陽が傾き、長い影を作る。

2人は監視塔から降りて、集落の中を歩き始めた。

「討伐隊……か」
「!」

 ぼそりとつぶやいたセシエルに、ベリルは目を向けた。

「俺たちは戦いの中で生きる民だが、ドラゴンが相手じゃ荷が重すぎる」

「確かに」

 ベリルは喉の奥から笑いをこぼした。そして険しい目になる。

「倒さねばならぬなら」
「やるしかない」