「私を造る際に、血だけが有効という訳では無かったと考えている」

「どういう意味や?」

 怪訝な表情を浮かべるクラウン。

「骨でもよかったのではないだろうか」
「!? それって墓荒らしやんかっ」

 クラウンの手が怒りで震えた。目を伏せているベリルを見つめて、落ち着かせるように深呼吸を何度か繰り返す。

「すまん。あんさんかて、被害者みたいなもんやもんな」

 何も言わないベリルにニコリと笑い、もらったマフィンを示した。

「これ、ありがとな」

 言って離れていく。

「あ、それとな」

 くるりと振り返り、ベリルに人差し指を指した。

「ジブンの事、罪人や思たらあかんで。そんなん、あんたの中のわしの仲間が許さへんからな」

 あんさんが生まれた思たら、むしろ誇りやよ。

「……」

 耳に届いた言葉に、ベリルは静かに目を閉じた。