セシエルのシルヴァブロンドの髪はなめらかで太陽に照らされると輝きを増し、そして大きめの赤茶色の瞳は可愛く。

 ベリルはサラサラとした金色の髪と、エメラルドのように輝く瞳は切れ長で、セシエルとは対照的な印象を持つ。

 小柄なベリルとは違い、セシエルは体格がよい方だ。

 集落に連れてこられた時から、ベリルの雰囲気は独特だった。

 そのために同じ年頃の子どもからも敬遠され、なかなか馴染めなかった。

 その空気を打ち破ったのがセシエル。誰にでも笑顔を向けていたセシエルが、無表情のベリルにも同じように笑顔を向け続けた。

 それにベリルが根負けした。と、いう形だ。

「お前は昔から愛想だけは良かった」
「可愛いガキだったろ?」

 ベリルは鼻で笑うと再び森に目を向ける。

「……」

 私が過去を振り返っている……それほどに、ドラゴンとの戦いに構えているという事か。

 ベリルは、己の心情を深く推察した。