「そうか。ならば明日、私の処に来るがいい。宿屋も教えておく」

「! え、ああ。解った」

 うち解け合う者、何か心に見い出した者。それぞれに王都に向けて歩みを進める。

 全ては終ったのだ。と、確認するように。

 近くも無い距離が遠くは感じなかった。

[ベリル、また会おう]

 ヴァラオムはそう言って空に舞い上がった。

 オレンジの光が白いウロコに反射して美しく輝く。その後ろをワイバーン2匹が追いかけた。

「ありがとう」

 噛みしめるようにつぶやく。


 そして、王都で待っていたのは激励の言葉。報酬はそれぞれに希望したもの。

 ベリルとドルメックは、その場では何も望まなかった。

 多くの戦士たちは、望むものなど無かったのだ。

 そのため、1袋の金貨が配られた。