「イース!」

 ヴァラオムが地に立つ前にベリルは飛び降りるとイースに駆け寄る。

「ベリル。わたくしは何をすればいいのかしら?」

「唄を!」
「何の唄なんだ?」と、ガイオス。
「どんな攻撃も出来てよ」

 少女の言葉に、ベリルは目で否定した。

「攻撃ではない。我々に力を」

 士気を高める唄を!

「おやすいご用だわ」
「ガイオス、彼女を頼む」
「任せておけ」

 これだけの広範囲と人数、周りに気を配れない。

 ドラゴンの攻撃に注意して安全な場所に誘導するのはガイオスの役目だ。

 ベリルは再びヴァラオムに飛び乗ると、ある人物を探した。

「! ヴァラオム」

 ヴァラオムはベリルの見る方に頭を向けた。

「キリーラ、ジギル」

 ベリルはヴァラオムから飛び降りると、2人に駆け寄った。

「あ、ベリルさん……」