「ヒイロウ」
「! な、何?」

 ベリルは少年を見つめ静かに口を開いた。

「ヤツの翼を狙え。あの翼からくる衝撃波はすさまじい」

 お前の足を活かして動き回れ。

「……」

 その言葉に、少し沈黙する。

「お前の力ならば、魔法を乗せずともヤツの翼を破く事が出来るだろう」

「解ったよ! おっさん」
「!」

 その瞬間──

“ビシィッ!”

 キクのくちばしがヒイロウの額に炸裂した。

「!? いってぇーー! 何すんだよキク!」
「ひーくん! いい加減に失礼だって!」

「解ったよ! ……ベ、ベリルさん……?」

 ベリルはクスッと笑う。

「丁寧な言葉はいらん」
「じゃあ、おっさん!」
「!」

“ドビシッ!”