「!」

 セシエルの言葉に、ベリルは両側の少女たちを一瞥した。

「私には少々、勿体ないな」

 うそつけ! 聞いていた周りの人間が、一斉に心の中で声を上げた。

「唄と楽器か。心強い」

 同意を求めるように、ベリルはフェニックスに顔を向ける。

「……」

 セシエルは、そんなベリルの表情を見て馬をフェニックスに近づけた。

「ベリルは君の事が気に入ったみたいだね」
「えっ!?」

 小声で言われて、思わず声をあげてしまった。

「きっと、強い力を持ってるんだね」

 キラキラと輝く笑顔で言われた。

「は?」

 ああ……そういう意味ね。ちょっと拍子抜けのようなガッカリのような?

 っていやいやまてまて、違う違う。フェニックスは頭を振った。