「どういう事だ?」

 セシエルがいぶかしげにベリルを見つめた。

「代表たちだけでは勝てない。と、国王に意見したんだよ。そしたら『お前の言う数を揃えてやる』と言われたのだ」

 平然と応えたベリルに、セシエルは声を張り上げる。

「んな!? お前、兵隊動かすつもりか?」
「そんなつもりは無かったのだが」

 さて、どうしたもんかね……兵士たちを見やり、ベリルは薄笑いで言った。

「!」

 その目に、まだ挨拶を交わしていない人間が映る。ベリルはすっとその少女に足を向けた。

「! ベリル?」

 セシエルはそれに気付いて、その後ろ姿を見送った。