同じ、戦いに身を置く民だ。キルテはベリルに興味を持った。

 ゆっくり目を開くベリルは、キルテたちに目を向ける。

「!」

 キルテは、近づいてくるベリルに少し緊張した。

「やあ」

 笑顔で2人に挨拶する。

「どうも」

 エークは小さく笑って手を差し出す。ベリルもそれに応えた。

 その目がちらりとキルテを確認する。

「戦場の民だな。私は……」
「流浪の民だろ」

 キルテは、彼が言い終わらないうちに睨みを利かせて言い捨てた。

「ベリルだ」

 宝石のような赤い瞳に、ベリルは動じず名乗る。

「俺はエーク。こっちはキルテ」
「……」

 キルテはベリルを睨み続けた。