そこに、少年と青年が訪れる。

「キルテ。いくらなんでも、少しくらい討伐隊の仲間と顔を合わせた方がいいんじゃないか?」

 水色の髪の青年が、前を歩く少年に言い聞かせるように言った。

 銀の長い髪をかきあげて、少年はさも面倒だ。と、いうように目を据わらせた。

「どうせ仲良くなんてなれないんだ。むしろケンカしないようにしてるのさ」

 その言葉に、エークという青年は溜息を吐き出す。

「!」

 キルテは、訓練場の端で1人何もせずに立っている人物に目が留まった。

「?」

 何してるんだ?

「あ……」
「! 知ってるのか?」

 エークの声に問いかける。

「いや……人物は知らないが、あれは多分、流浪の民だ」

「! へえ」