「まあな。あんさんだけ、みんなと雰囲気違うんやもん。気になるやん」

「! そうだったか?」

「他のみんなは気付かんかったようやけど、わしにはピンと来たで」

 ドラゴン討伐のメンバーが集められ、皆それぞれに何かしらの感情を浮かべていたというのにベリルだけは、ただ無表情に周りを眺めていた。

「私は必死になった覚えは無いが」
「だってそうやん……色んなもん用意して」

「自分に出来る事を考えて実行しただけだ」
「そういうもんか?」

 わしの目からは必死に見えたんやけど。

「お前が望む、確固たる理由など無いよ。私自身についてはね」

 その言葉に、クラウンはぴょこっと耳を動かした。

「あんた自身には無い? じゃあ、他にあるって事か?」

 それに、ベリルはエメラルドの瞳を少し曇らせた。

「破壊を続ける者を許せないだけだ」
「……なんやそれ」